“OOはXXが9割”って類の本が多すぎると思いませんか!?
ここ数年は本屋に行けば、必ずというほど見かけるようになった類のタイトルではないでしょうか?
あまりにも多い”9割本”・・・(本記事では、、”OOはXXが9割”という類の本を”9割本”と呼ぶことにします)
少し気になったので、世の中にはどれくらいの9割本が出版されているのか調べてみることにしました。
この結果を見て、「思ったより少ない」と感じる方もいるでしょうが、
私は「こんなに”9割本”って出版されてるのかよ・・・そりゃ本屋で似たような本見かけるわ・・・」というのが正直な感想です。笑
もはやタイトル付けに関して市民権を得ているとも言えそうな”9割本”について、何の役にも立たない調査をしましたので、最後までお付き合いいただければ幸いです。笑
- “9割本”に関する筆者の調査 (調査方法・年ごとの出版数・カテゴリー別発行数)
少し前置きが長い記事になってしまったので、詳しい調査結果だけが知りたい方はこちら (結果に飛びます) をご覧ください。
有名な”9割本”
有名な”9割本”といえば、以下の3書籍を思い浮かべる人が多いかと思います。
- 人は見た目が9割
- 伝え方が9割
- 人は話し方が9割
1. 「人は見た目が9割」
著者は竹内一郎氏。2005年に新潮出版から発売され、累計113万部のベストセラーになった書籍です。
2005年以前は”OOはXXが9割”というタイトルの本は見当たらないことから、本書が”9割本”の元祖と考えられます。
本書でいう見た目とは、表情や動きや話し方などの言葉以外の情報のことを指しているのですが、
『人は見た目で判断してはいけない』と教わってきた多くの日本人にとっては、人は見た目が9割と言われると結構な衝撃を受けるタイトルであることは間違いありません。
ちなみに、2013年には「やっぱり見た目が9割」という続編も発売されています。
2. 「伝え方が9割」
著者は佐々木圭一氏。2013年にダイヤモンド社から発売され、シリーズ累計156万部を誇るベストセラー書籍です。
“人は”が省略されたタイトルになっていますが、”9割本”といってよいタイトルだと思います。
本書は今でも書店のかなり目立つ場所に置いてることもあるので、個人的には一番人気のある”9割本”ではないかと思っています。
伝え方ひとつでノーをイエスに変えることができると、教えてくれる本です。
3. 「人は話し方が9割」
著者は永松茂久氏。2019年にすばる舎から発売され、2021年 年間ベストセラー1位にも選ばれています。
2022年2月には累計100万部を突破するなど、まだまだ売れ続けているベストセラー書籍です。
タイトルには話し方とありますが、話し方において一番大事なのは聞くことだと教えてくれる本です。
“9割本”の調査方法
少し前置きが長くなってしまいましたが、ここから本題に入りたいと思います。
“9割本”の調査方法について、以下3点をご説明します。
- 利用したサービス
- 検索方法
- “9割本”とみなす基準
利用したサービス
これまで発売された書籍を調べるために、国立国会図書館オンライン (NDL ONLINE)という無料で利用できる書籍検索サービスを活用しました。
国立国会図書館オンラインは検索結果をtsvファイルでダウンロードできるため、検索結果をエクセルなどに落とし込んで精査するのに便利です。
他にも無料で書籍を調べるには出版書誌データベースというサービスもあります。
今回は検索結果一覧をダウンロードしたかったので使いませんでしたが、個人的には出版書誌データベースのほうが書籍検索がしやすいのでオススメです。
余談ですが、出版書誌データベースにある発売日カレンダーを見て、最近の書籍で面白そうな本がないかを調べてみるのも楽しいと思います!
検索方法
少し細かいですが、興味のある方はタップしてご覧ください。
“9割本”とみなす基準
「が9割」をタイトルに含む書籍でも、「髪の悩みが9割解消する頭ツボ」のように、”OOはXXが◇割”になぞっていない本も散見されます。
本調査では以下の条件を”9割本”としてカウントしています。
- タイトルが”OOはXXが◇割”になぞっていること
- 8割と10割も類似本として調査対象に含む
- 漫画版の書籍はカウントするが、新装版などオリジナル版とほとんど同じ書籍はカウント対象からは除外
“9割本”の調査結果
結果自体は冒頭でお伝えした通りですが、
年ごとの出版数
”9割本”の出版数を以下のグラフにまとめました。
2005年に「人は見た目が9割」がベストセラーになってから、2008年ごろまで毎年数冊”9割本”が発売されていたようです。
ところが、2009年~2012年の間は”9割本”の出版数が激減しています。2008年 リーマンショックや2011年 東日本大震災の影響なのか、それとも単にブームが去っただけなのか・・・何かがあったのでしょう。
2013年に「伝え方が9割」が発売され、ベストセラーになりますが、これ以降は毎年コンスタントに”9割本”が発売されています。
2019年に「人は話し方が9割」が発売されベストセラーになった影響からか、2020年と2021年は過去最も”9割本”が発売された年になりました。
“9割本”の分類
筆者の独断と偏見によって分類した結果を以下の図にまとめました。
結果として仕事/ビジネス、コミュニケーション、教育、美容/健康といった分野が大半を占めていることが分かりました。
(仕事本としてのコミュニケーション論的な本もあり、仕事とコミュニケーション分野の境界など曖昧なカテゴリーもあるので、イメージとして捉えてもらえるとありがたいです。笑)
個人的に意外だったのは教育やスポーツの書籍にも結構”9割本”があったことです。(この辺は情報に疎くてよく知らなかっただけなのですが。笑)
“9割本”ってビジネス本だけでなく、いろんな分野にも”応用”されているみたいですね。
ちなみに、「欲張り系」という分類はそれ1つで人生がうまくいくぜ!的なことを説いている本を分類しています。
具体的には、
- 「人生を決めるのは脳が1割、腸が9割! : 「むくみ腸」を治せば仕事も恋愛もうまく行く」
ー 確かに、腸活流行ってますし、腸って大事ですよね。 - 「習慣が10割 : 仕事、お金、人間関係-人生がうまくいく最も強力でシンプルな方法」
ー 確かに、習慣って大事ですもんね。
正直どうなの?”9割本”
「9割」という数字は結構なインパクトを与える表現ですので、タイトルにするには結構キャッチーな言葉ですよね。
そのせいか、明確な根拠がなくても「9割」を謳っているのではないかと思う書籍も散見されました。
幻冬舎から発売されている林尚弘氏の3書籍は”9割本”の魔力に振り回されているのでは、と感じたので少しご紹介します。
(書籍自体を批判しているわけではないですし、筆者の無知からくる見解の可能性も有りますので、その点ご容赦ください。)
- 受験合格は参考書が9割
- 大学受験は勉強法が9割
- 受験合格は暗記が10割
内容は読んでいないので詳しくは分かりませんが、これらのタイトルから想像すると・・・
質の良い参考書を選んで、正しい勉強法で、きちんと暗記をすれば大学合格できるということでしょうか?
ていうか、3つも重要なことがあるのに、同じ著者/出版社がそれぞれに9割とか10割って使っていいの?過大広告じゃないの・・・?笑
まとめ
本記事では、筆者の興味本位から”9割本”がどれだけ出版されているかを調べてお伝えしました。
簡単にまとめます。
- “9割本”の元祖は2005年に発売された「人は見た目が9割」
- その後2022年4月現在までに180冊もの”9割本”が発売され、「伝え方が9割」や「人は話し方が9割」といったベストセラーになった書籍もある。
- そのタイトルのインパクトの大きさからか、”9割本”は様々な分野で出版されている。
- 中には、明確な根拠がなくても「9割」を謳っているのではないかと思う書籍も散見されるので、本を選ぶときにはタイトルだけに惑わされないように気を付けたいもの。
やたらと長いくせに、大してタメにならない記事ですが、最後までお読みいただき本当にありがとうございました!
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