普段お酒を飲む方なら「醸造酒」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
「醸造酒」という言葉は聞いたことがあっても、実はあまりよく知らないという方も多いかと思います。
聞いたことはあるけど、意外とよく知らない「醸造酒」・・・
そんな「醸造酒」について詳しくなって「違いの分かる大人」になりましょう!
本記事では醸造酒の基礎知識についてご紹介します。
- 醸造酒とはどんなお酒なのか
- 醸造酒の製法
- 代表的な醸造酒
ほんの少しお酒に詳しくなって、今よりも少しカッコ良い自分になりましょう!
※「お酒に詳しい=カッコ良い」は筆者の偏見であること、ご承知おきくださいね(笑)。
まずはお酒全般の基礎知識を知りたい方は以下の記事もご覧ください!
醸造酒とは
醸造酒とは、穀物や果実の糖を酵母によってアルコール発酵させたお酒のことです。
「醸造」とは、原料を発酵させて酒類や食品を製造することです。
諸説ありますが、ワインの醸造は今から6,000~7,000年前の新石器時代(日本では縄文時代)に始まったとされているほど、醸造酒は最も歴史がある酒の製法です。
醸造酒の代表的な酒として、ビール、ワイン、日本酒が挙げられ、この3つのお酒は「三大醸造酒」とも呼ばれています。
醸造酒のアルコール度数は5~15度程度のものが多く最高でも20度程度です。
糖をアルコール発酵させるのに必要な酵母はアルコール度数が高くなると活動しなくなるので、自然発酵ではアルコール度数20度を超えることはないと言われています。
発酵法による醸造酒の種類
酵母菌が糖分をアルコールと炭酸ガスに変化させる (アルコール発酵)させることで、お酒はできます。
発酵の種類には3種類ありますので、それぞれ紹介します。
単発酵 (ワイン)
単発酵とは、糖分を含む原料に酵母菌を加えることでアルコール発酵させる製法です。
単発酵で作られる代表的なお酒はワインです。
ワインの原料はブドウ汁ですが、ブドウ汁に多く含まれている糖分が酵母菌の働きによってアルコールに変わるのです。
単行複発酵 (ビール)
単行複発酵とは、原料に含まれるデンプンを糖分に分解 (糖化) した上で、この糖分を酵母菌の働きによってアルコールに変える製法です。
原料に含まれる糖分をそのままアルコール発酵させるわけではなく、原料の糖化工程を踏まえる点が単発酵とは異なります。
「糖化」と「発酵」の二つの工程をそれぞれ別の容器で順番に行うため、「単行」複発酵と呼ばれています。
単行複発酵で作られる代表的なお酒はビールです。
ビールは麦を原料としていますが、麦自体に含まれる糖分は発酵させるには少なすぎるので、まずは麦芽の過程で生まれる酵素の力でデンプンを糖に分解 (糖化) します。
麦に含まれるデンプンを糖化したものを「麦汁」と呼ぶのですが、この麦汁に酵母菌を加えることでアルコール発酵させてビールを作ります。
並行複発酵 (日本酒)
並行複発酵とは、単行複発酵と同じく「糖化」と「発酵」の二つの工程があります。
並行複発酵が単行複発酵と異なる点は、「糖化」と「発酵」の二つの工程を1つの容器で同時に行える点です。
並行複発酵で作られる代表的なお酒は日本酒です。
日本酒は米を原料としていますが、米自体に含まれる糖分は発酵させるには少なすぎます。
そこで、蒸した米に麹菌を加えることで、デンプンを糖化します。
米に含まれるデンプンを糖化したものを「麹」と呼ぶのですが、この麹に酵母菌を加えることでアルコール発酵させて日本酒を作ります。
並行複発酵はデンプンを分解してできた糖はすぐにアルコールに変わるため、効率よくアルコール度数を高めることが出来ます。
醸造によって20度近いアルコール度数のお酒を造ることができるのは並行複発酵だけです。
単発酵や単行複発酵でアルコール度数の高い醸造酒を作るには、高濃度のブドウ糖液が必要になりますが、高濃度になると水あめのようになってしまい酵母が活動できなくなってしまうのです。
代表的な醸造酒の種類
代表的な醸造酒を製法と原料で分類しました。
糖分を多く含む甘い原料から造られるお酒は単発酵で、糖分をあまり含まない穀物由来のお酒は複発酵でアルコール発酵させることで醸造酒が造られます。
まとめ
本記事をまとめます。
醸造酒とは、穀物や果実の糖を酵母によってアルコール発酵させたお酒のことですが、製法によって3種類の分けられます。
- 単発酵 (ワイン) : 糖分を含む原料に酵母菌を加えることでアルコール発酵させる製法。
- 単行複発酵 (ビール) : 原料に含まれるデンプンを糖化し、この糖分を酵母菌の働きによってアルコールに変える製法。
- 並行複発酵 (日本酒) : 「糖化」と「発酵」の二つの工程を1つの容器で同時に行える製法。
お酒の世界は本当に奥が深いですが、基本的な知識を学んでより充実したお酒ライフを楽しみましょう!
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