普段何気なく利用しているスーパーやコンビニですが、お酒販売コーナーを見ると、結構いろいろなお酒が売っていますよね。
我々の生活に根付いている文化といってもよい「お酒」ですが、あなたはお酒の種類を知っていますか?
お酒好きの人は世の中にいっぱいいますが、お酒の知識を持った人って意外と少ないと思います。
本記事ではお酒全般の基礎知識とお酒の種類についてご紹介します。
ほんの少しお酒に詳しくなって、今よりも少しカッコ良い自分になりましょう!
※「お酒に詳しい=カッコ良い」は筆者の偏見であること、ご承知おきくださいね(笑)。
お酒の定義
日本の酒税法では、「アルコール分1%以上の飲み物」をお酒と定義しています。
アメリカやイギリスではアルコール分が0.5%以上、EUではアルコール分が1.2%以上と定義されており、「お酒」の厳密な定義は国によって若干異なります。
完全に余談ですが、ロシアでは2011年までアルコール度数が10% 以下のビールはお酒ではなく食品扱いでした。
現在はアルコール分0.5%以上の飲み物はお酒扱いになっているようですが、度数の低いビールは法律上お酒ではなかったというのは日本人からすればびっくりですよね。
お酒の分類
お酒は製法によって「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の大きく3つに分類されます。
それぞれについてはこの後詳しくご紹介しますが、下図を見てもらえればお酒の種類について概ね理解することが出来ると思います。
製法の違い
お酒は製法によって「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の大きく3つに分類されることをお伝えしましたが、ここからは各分類についてご説明します。
醸造酒
醸造酒とは、穀物や果実の糖を酵母によってアルコール発酵させたお酒です。
「醸造」とは、原料を発酵させて酒類や食品を製造することです。
諸説ありますが、ワインの醸造は今から6,000~7,000年前の新石器時代(日本では縄文時代)に始まったとされているほど、醸造酒は最も歴史がある酒の製法です。
醸造酒の代表的な酒として、ビール、ワイン、日本酒が挙げられ、この3つのお酒は「三大醸造酒」とも呼ばれています。
醸造酒のアルコール度数は5-15度程度のものが多く最高でも20度程度です。
糖をアルコール発酵させるのに必要な酵母はアルコール度数が高くなると活動しなくなるので、自然発酵ではアルコール度数20度を超えることはないようです。
蒸留酒
蒸留酒とは、醸造酒などのアルコールを含む液体を蒸留して作ったお酒です。
「蒸留」とは、2種類以上物質が混ざった液体からある特定の液体を取り出したいときに使う技術です。
(中学1年生くらいで習った内容ですね。)
お酒を例にすると、醸造酒には「アルコール」と「水」が含まれていますが、アルコールは78.3度で気体になり、水は100度で気体になります。
液体が気体になる温度 (沸点)の違いを利用して特定の液体を取りだすのが蒸留です。液体を熱して気体にしてあと、その気体を冷やすことで液体に戻します。
蒸留技術自体は紀元前3,500年ごろから用いられていましたが、紀元前1,300年ごろにエジプトでナツメヤシの蒸留酒が販売されていたというのが最初の蒸留酒だと言われています。
現在の蒸留酒の源流は12世紀頃に確立したと言われており、醸造酒と比べると比較的新しい製法です。
(比較的新しいといっても900年ほど前からある製法ですが。)
蒸留酒の代表的な酒として、焼酎、ブランデー、ウイスキー、ジン、ウォッカ、ラム、テキーラなどが挙げられます。
蒸溜によりアルコール度数を高めることができるため、蒸留酒は醸造酒よりもアルコール度数が高く、40度以上のお酒が一般的です。
アルコール度数が高いお酒は基本的に蒸留酒に分類されますが、アルコール度数が最も高いことで有名なポーランドのウォッカ 「スピリタス」は、なんとアルコール度数96度です。
蒸留を70回以上繰り返すことでアルコール度数を引き上げているのです。
蒸留酒はアルコール度数が高く菌が繁殖できないため、長期保存が可能になるのは蒸留酒の良い点です。
基本的に賞味期限は存在しないため、適切に保管されていれば長期間飲むことが出来ます。
適切に保管された開栓していない蒸留酒であれば、数十年前のお酒でも飲むことができるのはすごいですよね!
混成酒
混成酒とは、醸造酒や蒸留酒に果実、薬草、香料、糖類などの副原料を加えて作るお酒です。
混成酒の起源は、紀元前4世紀ごろに古代ギリシャの医者がワインに薬草を溶かし込んだ薬酒を作ったのが最初と言われています。
混成酒の代表的な酒として、梅酒、サングリア、ベルモット、リキュールなどあります。
「混成酒」=「リキュール」と思われがちですが、実は厳密には違いがあります。
リキュールは蒸留酒に果実、薬草、香料、糖類などの副原料を加えて作るお酒のことを指します。
ただしリキュールの定義は国によって異なり、EUの基準ではリキュールではなくても日本の酒税法上はリキュールに分類されるものがあったりします。
つまり、醸造酒由来のお酒 (ワインベースであるベルモットやサングリアなど)は混成酒に分類されますが、リキュールには分類されません。
混成酒の主原料は醸造酒か蒸留酒ですが、副原料によって大きく4種類に分類することが出来ます。
- ハーブ(香草)系
- 果実系
- ナッツ、種子、核系
- その他原料
まとめ
本記事をまとめます。
世界の食文化とともに発展してきたお酒文化のおかげで、世界には様々なお酒があります。
世の中には数えきれないほどのお酒があれども、製法で分類すると「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3種類に分けることが出来ます。
- 醸造酒 : 穀物や果実の糖を酵母によってアルコール発酵させたお酒
- 蒸留酒 : 醸造酒などのアルコールを含む液体を蒸留して作ったお酒
- 混成酒 : 混成酒とは、醸造酒や蒸留酒に、果実、薬草、香料、糖類などの副原料を加えて作るお酒です。
製法の違い、原料の違いを把握することでお酒の種類が理解しやすくなりますので、ここを抑えてお酒に詳しくなる一歩を踏み出しましょう!
お酒の世界って奥が深いですよね・・・少しずつ学んでお酒に詳しいカッコ良い大人になりましょう!
コメント